|
アンは感性溢れる言葉をたくさん残していますが、
アン以外でも、私の心に残った言葉はたくさんあります。
その一部をご紹介します。

「知りたいことがいっぱいあるって、すてきだと思わない?
生きてることがうれしくなっちゃう――
こんなにおもしろい世界に生きているんですもの。
なにからなにまですっかりわかっていたら、
半分もおもしろくないんじゃないかしら。
想像の広がる余地が、全然なくなっちゃうもの。」

「あれは自分の家なんだって思いながら家に帰るのって、すてきだわ。
わたし、グリーン・ゲイブルズが、もう大好きになっちゃった。
今まで好きになったところなんてなかったのよ。
自分の家だと思えるところがなかったから。
ああ、マリラ、とっても幸せよ。今ならちっとも苦労しないでお祈りができるわ。」

「そのブローチ、ちょっと持たせてくれる、マリラ?紫水晶って、やさしいスミレの
魂かもしれないわね?」

「こんな日に生きていられて、よかったと思わない?
まだ生まれていなくて、今日という日を知らない人って、気の毒ね。
そりゃあ、ほかにもすばらしい日はあるでしょうけど、
今日という日は、ほんと、今日だけですもの。」

「メイフラワーの花をわたしがどんなものだと思っているか、わかるかしら、
マリラ?去年の夏に死んだ花の魂で、ここがその花たちの天国なんだって思う
の。」

「大丈夫よ、マリラ。
屋根の棟木の上を歩いて、落っこちちゃったの。
それで足首をひねったらしいの。でもね、マリラ、運が悪ければ、
首の骨が折れちゃったかもしれないのよ。
なんでも明るい面を見なくちゃ。」
「パーティに出してやったときに、どうしてなにかしでかすかもしれないと
思わなかったんだろうね」 (マリラ)

「うわあ、ダイアナ、見て、ウサギよ。
森の作文に書くように、覚えておきましょうよ。
夏の森もいいけど、冬の森もすばらしいわね。
真っ白く静まりかえっていて、まるで美しい夢を見ながら、眠っているみたい。」

「あなたの新しい帽子、エレガントで、とてもよく似合っていたわ、ダイアナ。
このまえの日曜日、あなたがあの帽子をかぶって教会に入ってきたのを見て、
あのすてきな人はわたしの親友なんだって思ったら、もう得意で得意で、
胸がいっぱいになっちゃった。」

「きらびやかなレストランで、夜の十一時にアイスクリームを食べるのも、たまに
は悪くないわ。
でも毎日のことだったら、夜の十一時には、東切り妻の部屋でぐっすり眠ってい
て、眠りながらも、ああ、外で星がまたたいているな、
風が小川のむこうのモミの木立をざわめかせているなって感じている……
そんな暮らしのほうがいいわ。

「マリラ・カスバートが孤児院から女の子をもらったと聞いたときには、
なんとまたばかなことをしたのだろうと思ったけれど、
結局、それほど失敗というわけではなかったのだ。
アンのような子がいつも家の中にいてくれたら、わたしだって、
もっとやさしい、幸せな人間になれるだろうにね」(ミス・バリー)

「わたしの生涯で、忘れられない特別の日々として残ると思うの。
でも、そのなかでも一番すばらしかったのは、わが家に帰ってきたとき
だったわ。」

「だけど不思議だわね、どうしてだかわかならいけど、アンがほかの子たちと
いっしょにいると、ほかの子たちのほうが品がなくて、派手すぎるように
見えてしまうのよね。
アンのほうが半分も美人じゃないのに。
ちょうど、白いスイセンが、大輪の真っ赤なシャクヤクに交じっているように
見えるのよ、まったく」(リンド夫人)

「わたしはちっとも変わっていないわ。 ちっともよ。
いらないところを刈りこんで、枝を伸ばしただけなの。
本当のわたしは・・・ ここにいるのよ。
今までとおんなじ。どこへ行こうと、外見がどんなにちがおうと、
そんなこと関係ないわ。心の中はいつまでも、マリラの小さなアンよ。
生きているかぎり、マリラとマシューとグリーン・ゲイブルズを愛しつづける
アンなのよ。」

「クイーン学院を卒業したときは、未来がまっすぐな一本道のように、
目の前にどこまでものびているようだったわ。
どんなことが起こるか、先のほうまで、見とおせると思ったくらいだった。
でも、今その道には、曲がり角があるの。
曲がり角のむこうになにがあるか、今はわからないけど、きっとすばらしい
ものが待っていると信じることにしたわ。
それに道が曲がっているというのも、またなかなかいいものよ、マリラ。
あの角を曲がったら、その先はどうなっているんだろうって思うもの。」


|